今回の訪問中にスリランカのスタートアップ１０社と会うことができました。
そのうち９社は、日本訪問や日本企業とのマッチングのチャンスをかけたコンテストで約７０社の中から書類審査を通ってきたものたちで、彼らのプレゼンテーションを聴き、審査する機会に参加しました。
・まず感心したのは、彼らの発表から伝わってくる愛国心の強さ。自分たちが成功したいのは勿論ですが、スリランカのポテンシャルを顕在化して国を発展させる、というメッセージが多く、素晴らしいと感じました。
・ただ、こういうプレゼンピッチに慣れてないことも多分にあると思いますが、いわゆる、「独自性」「市場性」「事業性」がうまくまとまって発表され、「支援しよう！」というところまでいっているものは、少なかったです。逆に、きちんとサポートしてあげる仕組みが現地にあれば、と感じました。
・支障のない範囲で、発表されたテーマとご紹介しましょう。
- 流行りの言葉でいうと「アグリテック」でしょうか。農業をハイテクでグリーンに進化させ、スリランカの名産品をもっと効率よく産み出すモデル。
- 天然ハチミツの海外ビジネス展開。スリランカ製ハチミツの高純度・ナチュラル感を強調した製品開発とマーケティング。
- 先回のBlogで紹介したスリランカ版の湯治Ayuvedaからのエッセンスを投入した石鹸の世界販売を計画。それで成功したら、将来的には、Ayurvedaと病院を一体化したモデルを展開したいという構想も持ってました。
- 農業にかかわるステイクホルダー（農民～地主～卸・物流業者～バイヤー）の効率的・効果的なエコサイクルの提案。
- 農業を始めとした環境改善のためにDXやブロックチェーンを活用する提案。
- 農産物を加工した美容ドリンクや料理レトルトパックの開発。収益の半分を、スリランカの自然保護に寄付するプログラム。
- スリランカの生徒の学習レベルを向上させるために、小さな時から個人個人が自分でカリキュラムを組むことができるラーニングシステム。
日本の「自由の森学園」を思い出しました。
- スリランカ農産物を使った健康食品を科学的に生み出すプラン。
- カーボンニュートラルを志向するプラントの構成提案
・上記９社、既に実施済みのものもあれば、企画提案ベースのものもありました。この中のトップ３社は、次のステップに進めます。
みなさんはどれが合格したと思いますか？ これだけの情報では判断できませんよね。
これとは別に、去年のコンテストで優勝し、既に、日本との関係を持っている企業を別途訪問しました。おりしも、上記の⑦の事業に子供向けAIロボティクス製品を提供しているマジックビットという会社です。STEM kits for kids in Coding, Robotics, IoT and Electronics (magicbit.cc) 若い社員の瞳がどれも輝いているのが印象的でした。すでに成功を手にしつつあるも、謙虚に次のチャレンジを志向しているCEOにも好感が持てました。
